STEREO CLUB TOKYO

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コインケース?

 作画に凝ってくると手を出したくなるのがフィルターだ。今普通に売っている、レンズの先端にねじ込む方式のフィルターは規格化されているから、イマドキのカメラに使うのなら迷うことはない。でも、リアリストにはレンズの先端にネジはないし、径も小さい。これに合う現代のフィルターは無い。いくら探しても、ない。こういうコトはクラシックカメラではよくあることだ。だからしょうがない、とあきらめましょう。
 そう言っちゃうと話が終わっちゃうのだが、リアリストにはちゃんと専用フィルターが販売されていたのだ。レンズ先端にはフィルター取付のネジがないので、レンズにかぶせる方式になっている。リアリストには色々なレンズバージョンがあるが、レンズ枠のサイズは同じだからどのモデルにも使える。ただし、当時のフィルターの用途はちょっと限定されたものになっている。これら専用フィルターは、レンズ保護用透明ガラス、フラッシュ用色調変換フィルター、タングステンフィルム用色温度変換フィルターの3種しかない。これらが革製のかっこいいケースにペアで計6枚入ったセットが、たまに中古マーケットに出ることがある。革製品なのに、昨日店先に出ていたかのような真新しい状態のものがあることに驚く。こんな時、アメリカ人というのは物を大切にする人たちだなぁ、と妙に感心したりもする。
 残念ながらリアリスト専用のサイズで、作画に凝るために微妙に色温度をかえたり、色調をコントロールするフィルターはない。でも、この古いフィルターから枠だけ使って、新しい現代のマルチコートフィルターを組み入れる、ということもできないわけじゃない。でもそんなめんどくさいこと、僕はしませんけどね。

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投稿者 sekiguchi : 2004年12月26日 01:33


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