STEREO CLUB TOKYO

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マクロステレオ(後編)

 肝心のレンズが決まっていなかったが、何とかなるかな?ぐらいにしか考えていなかった。ネットで諸先輩の製作例などを拝見すると「写るんです」のレンズを使われている方々もいらっしゃる。そんなのがないかなとカメラ屋に立ち寄ると、ジャンクカメラがカゴいっぱいに積んであった。1台200円也。これはと思い、てきとうにコンパクト機をペアで数台購入。さっそく分解する。38mm/F2.8のレンズユニットがペアで入手できた。
 ただし、これをマミヤに取り付けるとフランジバックが長いので高倍率になりすぎる。どうやって倍率を下げるか?、画質を落とさないようにする方法は?、左右画面の仕切りは?、絞りの取り付けは?、絞って暗くなったファインダーでのピント確認方法は?、ストロボの光量設定は?とか、とか、とか。。。課題は盛りだくさん。
 課題は多いが、一つ一つクリアしながら組み立ててゆく楽しみがある。問題を解決するたび目標に近づいてゆくのが分かる。完成間近には桜が咲き始め、テスト撮影に最適な季節が到来した。ボロくてジャンク寸前だったマミヤ645が、世界で一台の試作カメラとして生まれ変わったのである。
 さて、フィールドに出てみるとちょうど菜の花が咲き、たくさんのミツバチが飛んでいた。ファインダーは暗いがフォーカス確認の秘策がある。静止しているものならまず外さない。1本撮り終えてさっそく現像に出す。さて、結果は・・・。
 ファインダーで確認した通りの構図で記録されている。ルーペで確認すると、心配だった解像度はミツバチの体毛が分離できるほど高い解像度が出ている。隅々まで均一な画質で、アウトフォーカスも素直なボケ。マミヤ645はタテ走りシャッターなので左右の画面でタイムラグがない。ミツバチの羽ばたきをしっかり捕らえる事ができた。リアリストマウントに仕上げて鑑賞すると、ビュアーの奥に緻密な、小さな世界が広がる。
 近接立体画像撮影装置の完成である。残念ながら量産化の計画はありません。

Prox.JPG
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投稿者 sekiguchi : 2008年05月17日 10:23


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