STEREO CLUB TOKYO

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さようなら0系

 去年の11月に0系新幹線が退役した。ついこのあいだのことのように思っていたが、時間が経つのは早いものだ。もう1年前の事になるのだ。僕の世代は、新幹線でイメージするのがどうしても0系になる。昭和39年に開業したときのスタイルから長く変わらず、僕たちが成長して修学旅行で乗ったのも0系だった。一番馴染みが深い。
 それがなくなっちゃうと聞いたら急にさびしくなっちゃったのだ。山陽新幹線でこだまとして運行していたが、それももうすぐおしまいです。そう聞くと見に行かずにはいられない。さっそく運行ダイヤを調べ、リアリストをお供に駅に行った。
 駅に到着し、入場券を購入して目的のホームに向かう。いちばんの見所は車輌の先頭だ。行き先表示を良く確かめて、先頭車両が停止する側のホームの端を目指す。もう既に、何人かの人が集まっている。最終運転の日までまだあるというのに、僕と同じような目的の人がいる。新幹線の到着時刻が近づくと、だんだんと人が増えてくる。到着直前の時刻になるとさらに増えている。事故が起きなければいいのだが、と心配になるほどの人数だ。心配をよそに、0系は無事到着した。
 集まった人達に鉄道マニアという雰囲気はない。僕と同年代の人や、子供をつれて見に来た人が多い。みんな0系に愛着があるのだろう。愛嬌のある団子鼻といっしょに記念撮影をする人達でいっぱいだ。ここは終着駅ではないから、しばらく停車した後次の駅に向かって出発する。駅員が事故の起きないよう、見学者に安全誘導をし始め、出発の合図が鳴る。
 赤いテールランプの残像を残し、0系は次の駅へと旅立ってしまった。それから何日かして、TVのニュースで最終運転の様子を放送していた。ああ、ほんとうになくなっちゃったとこの時実感した。どうせなら、見るだけじゃなくてもう一回乗っておいたらよかったかな、とも思ったけど、鉄道マニアというわけではない。最後に会うことが出来た。これで十分満足だ。

新幹線.jpg

投稿者 sekiguchi : 2009年11月26日 18:01


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