STEREO CLUB TOKYO

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日食とお天気

 さて、日食の話をもう少し。今年の7月に日本各地で見られた部分日食は皆さんの記憶にもまだ新しいことだろう。日食の当日、僕の住む町では天候が悪く、薄い雲が朝から広がっていた。こういう天文現象はお天気次第だ。だが、この日はかえってこれが幸いした。減光フィルターを使わなくても大きく欠けた太陽を見ることができたのだ。
 何より感動したのは、薄暗くなった空の中、僅かの間だが空一面に広がる薄雲が幻想的に輝いているではないか。なぜか、地球が宇宙の中に浮かんでいる存在なのだと感じる風景だった。こういう風景は写真に撮るのが難しい。光の微妙な諧調は自分の眼で見て、記憶にしっかりと焼き付けるのがいちばんいい。僕はこのとき、写真を撮らなかった。
 このときは天候が悪いにもかかわらず、それが幸いしたレアなケース。しかし、皆既日食を見るならば別である。お天気は最重要項目になる。確実に晴れてもらわねばならぬ。晴れでもわずかな雲が太陽にかかるだけで台無しである。
 そういうわけで僕が2回目に行った皆既日食の場所は、乾季のアフリカ、サバンナの大地、ザンビアにしたのだ。現地に着くと雲が一つもない。深いブルーが頭上に広がっている。空気がどこまでも澄んでいる。夕日はぎらぎらと、強い光を放ちながら地平線に沈んでゆく。アフリカの雄大な大地とマッチして、ここにいるだけで気持ちが大きくなる。そういうわけで、僕は皆既日食をお天気の心配なく堪能したわけだが、ホントウに晴れるかは行ってみないとわからない。これってやっぱり、賭けだなぁ。
 皆既日食を堪能した晩は現地でパーティが開かれた。現地の人がこの日のために特大のパンを焼いてくれていた。アフリカの大地の形をしている。うれしくなって、シェフと支配人を一緒にステレオ撮影した。支配人が写真を送って欲しいという。帰国後、早速ステレオビュアーと共に郵送したのだが。郵便事情が悪いのだろう。届かずに戻ってきてしまった。

日食2.jpg

投稿者 sekiguchi : 2009年11月19日 23:21


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