STEREO CLUB TOKYO

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カマキリ・ファイト

 秋口になると、草むらでカマキリの卵を見つけたものだ。子どもの頃はその形の面白さから採集したりもしたが、最近の子供たちはカマキリの卵を知っているだろうか。大人になった今では採集することなどないが、僕が子供の頃の話。葦の茎に産み付けられたオオカマキリの卵を採ってきた。それを、部屋のどこかに置いたままうっかり忘れてしまった。その後の顛末を紹介しよう。
 春先になり、だいぶ暖かくなってきたある日、部屋のあちこちに小さなカマキリがいるのだ。初めは外から迷い込んできたのだと思ったが、あまりに数が多い。気味がわるくなって良く考えると、外から持ち込んだ卵を棚の奥に置きっぱなしだったことに気がついた。あわてて手にとっても遅い。スポンジ状の卵殻はすでに中身が空っぽだ。
 そんな悪夢のような、忘れていた思い出は、マクロステレオカメラを持ってフィールドに出たときに。初夏にさしかかろうという季節、大きくなり始めた草木の葉に、あの小さなカマキリがいるのを見つけた。まだ小さく、生まれてからさほど経っていないに違いない。あの時部屋にいた、たくさんの子カマキリたちの姿が脳裏に浮かんでくる。
 ということは、この近くにまだたくさんいるはずだ。一匹見つけたら百匹はいる。どこかで聞いたようなフレーズが浮かんでくる。草木の葉の隅々を観察すると・・・いるいる。たくさんの子カマキリがいる。だが、卵から生まれた兄弟たちはもっと数が多かったに違いない。彼らは生まれてすぐの頃は共食いをするのだと聞いたことがある。
 レンズを向けるとこちらの動きを察知して逃げる。葉の表にいたヤツが、サッと葉の裏側に回りこむ。しかし、逃げた先には先客がいた。たぶんコイツの兄弟だ。お互いに睨み合い、ファイティングポーズをとったまま動かなくなった。さあ、どちらが先に仕掛けるか・・・シャッターを切った後、僕がレフェリーになって片方を別の葉に追いやった。やれやれ。

カマキリ.jpg

投稿者 sekiguchi : 2010年04月23日 10:00


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