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セピア反転現像

 印画紙用のセピア調色剤を使うフィルムの反転現像方法がある。硫化剤と漂白剤の2薬で構成されているセピア調色剤、意外に安価に売られている。今回、これを使って反転現像にチャレンジした。そのレポートをお伝えする。
 さて、仕組み。まず普通に現像した後、印画紙の場合とは薬液の順序を逆に使用する。硫化剤で露光されていないハロゲン銀の部分を黒化させる(ポジ像)。先に現像した銀画像部分は硫化されない(はず)。この銀画像はネガ像なので、漂白剤に浴して銀画像をハロゲン銀に戻す。この後の定着でこれを除去する。
 第1回目はイルフォードPANFを日中屋外で撮影し、スーパープロドールで現像した。硫化浴は5分、漂白浴は10分とし、定着に進んだ。期待してタンクを開けると・・・結果はすべての画面が真っ黒。黒というより非常に濃い茶色。硫化銀特有の色味だ。光にかざしても像が出ていない暗黒の世界。早くも暗礁に乗り上げた。
 よく観察すると濃淡がわずかにみられる。失敗の原因は硫化浴だろうと推測した。ネガ像の銀画像は硫化浴で硫化されないはずとしていたが、実際にはここも硫化されてしまったのだろうか。漬けておいた時間が長すぎたのか。
 第2回目はネオパンSSを日中屋外で撮影し、スーパープロドールで現像。硫化浴は時間を短縮して1分30秒。漂白浴は5分とし、定着に進んだ。漂白浴の途中、明光下で観察すると全面真っ黒で、第1回目の失敗と同じ様相だった。だが、定着が進むにつれポジ像が浮かんできた。これで成功と思いきや、全体に画像が濃い。
 硫化浴でネガの銀画像も相当に硫化が進行するのか?これが全体画面の濃度上昇と、抜けが悪い原因だろうか?この処方でも、工夫次第で実用になるだろうか。いい結果が出たらまたお伝えしようと思う。

調色剤.jpg
調色剤のほかにもイロイロ買いましたよ。。。

投稿者 J_Sekiguchi : 2012年05月10日 10:00


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