STEREO CLUB TOKYO

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Airquiptステレオシアターの詳細

 このビュアー、スライドチェンジャーを内蔵しているため、一般的なステレオビュアーとは異なり、銘菓ひよ子のような姿をしている。はじめて見たときは何だこれと思ったんだが、これがなかなか良くできている。光学系はレッドボタンビュアーと同様、目幅調整とフォーカス調整ができる。レンズの倍率も見え具合も、その他のビュアーとだいたい同じ。ただ一つ、変っているのはこのレンズユニットを外してみると工夫が現れる。フォーカスノブをいっぱいに回せば、レンズユニットが本体から外れます。
 レンズユニットを外した本体の開口部には、その他のバックライトビュアーと同様、豆電球がセットされていてその周りをお椀型の反射板が囲んでいる。特徴的なのは、その間に鏡が置いてある。はて、なんでこんなところに鏡があるのでしょう。
 そのひみつは図を見ていただきたい。操作レバーを押し込むと下側からスライドが押し出されるしくみがあり、同時にバックライトが点灯する。ライトとスライド、光学系を結ぶ線を途中で鏡を使って折り曲げているのだ。折り曲げずに直線のままで光学系を配置すると、覗き口とスライドトレイが近くなり、使いにくいと考えたのかな。なかなか面白いアイデア。使いやすい配置になっている。
 ただ、この配置だと鏡で画像が反転されるので、スライドを裏から観賞することで正像を観賞できるようにしている。そのため、スライドトレイへのセット方法は、一般的な映写機で上下さかさまに差し込んでゆく要領ではなく、上下はそのままに、表面を正面にして順に差し込んでゆくことになる。このトレイセット方法はとても単純で、これも使いやすさにつながっている。
 トレイには24枚のスライドをセットできる。36枚撮りフィルム一本でリアリストサイズのスライドは29枚作れるから、もうちょっとトレイを大きくすれば良かったのにとも思う。ただ、トレイを大きくすると、本体の大きさもその分大きくなるから、このビュアーの設計者はそんなところの葛藤の末、仕様を決めていったんじゃないか。

投稿者 J_Sekiguchi : 2016年08月25日 10:00


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