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ステレオカメラの資料
僕がステレオカメラを手にしたきっかけとなったのが、「カメラレビュー クラシックカメラ専科 No.27」(朝日ソノラマ)だ。カメラレビュー誌は特集としてその時々のテーマを深く掘り下げているのでなかなか面白い。ステレオ特集となるNo.27はステレオワールドと題して1993年12月に発行された。ステレオ以外の記事も載っているが、約70ページに立体写真撮影と鑑賞に関わる情報が凝縮されている。
この本の凄いところは、単なるメカの紹介としてカメラ情報を載せているのではなく、立体写真の原理から各種撮影方法、鑑賞のしかたまで詳細に記述されていること。これ一冊あれば、立体写真をどのように楽しむか、という自分なりのスタイルをデザインすることができる。
僕はこの本を熟読して、まずはリアリストフォーマットのカメラとビュアーを買って、ステレオスライドで鑑賞、ゆくゆくはマクロ撮影にも挑戦、6×6フォーマットは余裕ができてからかな、なんて考えた。この本をカバンに忍ばせて、新橋、銀座界隈の中古カメラ店を巡った頃を思い出す。
中古カメラ店で手に入るステレオカメラはこの本に網羅されていて、基本的なスペックも紹介されているから、どれを買うかはこの本の情報でおおよそ絞り込んでおいた。シャッタースピードの範囲が充実していて、距離計連動で、リアリストフォーマット。こうして絞り込むと、リアリスト、リベア、ウォーレンサック、ビビッド、カラリストⅡ、エディクサⅢA、キンダー、アルペンの8種類。あれ?、後から気付いたけど、この本にはラピッドが載ってないですね。
それはともかく、国内の中古カメラ店で手に入るものといえば、リアリスト、リベア、ウォーレンサック、ビビッド、カラリストⅡぐらいになる。さらにレンズはF3.5より明るく、という贅沢な絞込みをするとリアリストかウォーレンサックのどちらかになり、価格的にも手に入りやすい方ということでリアリストに行き着く、というわけです。
僕がステレオ沼にはまったのは、この本の中で数々のステレオカメラを紹介するだけでなく、ステレオ撮影から鑑賞に至るまでのプロセスを書かれた島和也氏のおかげと感謝しています。この本の中にはその他の方々が色々なアプローチで立体写真について語られています。資料価値として第一級と思われる一冊、古本でも手に入る環境の今、一読されてはいかがだろう。
投稿者 J_Sekiguchi : 2017年10月05日 10:00
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