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ワイド・リアリスト
前回紹介したレデュフォーカスのつづきだよ。
これをリアリストにセットすると35mmレンズが25mmに変身する。明るさは変らないので露出補正はいらない。ただし、フォーカスはズレるので補正がいる。レンジファインダーで普通にピントを合わせたら、距離表示を二倍して合わせなおすルールになっている。手順としてはこれだけでいい。まあ、フォーカスを合せなおさなくても被写界深度が相当に深くなるから、ある程度絞っておけばいつでもパンフォーカスで使うことができる。
レデュフォーカスは、取り付けるだけならばどのモデルにも付けることができる。ただし、レンズとの相性があるのだ。これは知っておかねばならない。F3.5モデルに使うと画質が極端に悪化し、ソフトフォーカスにしたような感じになってしまう。おまけに、イメージサークルが小さくなって画面の四隅までカバーできない。
一方、F2.8モデルのイメージサークルはヨーロピアンサイズをカバーできるほどだから、レデュフォーカスを取り付けてイメージサークルが多少縮小しても大丈夫。レデュフォーカスを使うときはF2.8モデルを使おう。もちろん、EktarでもCUSTOMでもいい。ただし、F2.8モデルでもやはり画質の悪化は免れない。絞り開放からF5.6までは画面周辺のコマ収差が増大して見苦しくなってしまい、実用的ではない。コマ収差は絞ることで大きく改善するから、ぜひ絞って使ってほしい。F8以上に絞り込むと画質は飛躍的に向上し、画面周辺までシャープになる。これを忘れずに。
アイテムとしてはややレアな部類に入るが、せっかく手に入れてもレンズのコバ塗りが剥がれ落ちているものが多い。そのままでもそれほど悪影響はないだろうけど。僕は自分で分解して再塗装し、ベストコンディションで使っている。
投稿者 sekiguchi : 2005年03月26日 13:52
交換レンズがほしい
‘50sのステレオカメラはなぜかレンズの焦点距離がどれも35mm近辺のものしかない。ステレオ効果の関係でこの焦点距離が一番いいのかな?でも、望遠や広角のバージョンもあったらいい。現実にはRBTなど一部の特殊なカメラを除いてレンズ交換のできるものはない。レンジファインダーでステレオともなると、交換レンズのシステムを作るには機械が複雑になりすぎるのだ。残念。でも、後からコンバージョンレンズを付ける方法なら簡単だ。’50sにもそう考える人がいて、ステレオカメラ用の望遠や広角のコンバージョンレンズが発売されていたらしい。
リアリスト用としては広角用のシュタインハイル社製”レデュフォーカス”が有名だ。ときおり中古マーケットにも登場する。大口径の前玉が印象的である。2群4枚構成で、カメラの三脚座を利用したブラケットと、レンズ鏡筒へのチャッキング機構でセットする。専用の広角ファインダーが下に付いていて”おでこホールド”が継承されている。焦点距離は25mmになり、明るさ(F値)は変らない。
リアリストブランドでの発売ではなかったが、リアリストのレンズはもともとシュタインハイル製である、という説もある。それならリアリスト専用のレンズ設計かと思ったら、アタッチメントを変えてコダックステレオ用やリアリスト45用の他、その他のカメラ用にも供給していたらしい。広角があるなら望遠も、と思うが、Vivid用のよくわからないブランドのものが中古マーケットにたまに登場するだけで、リアリスト用のものは見たことがない。作られてはいたらしいが、存在自体が謎である。
さて、レデュフォーカスは使ってみるとなかなかイイ。リアリストでワイド・ステレオが撮れる。でも、知っておかなければならないことも多いのだ。詳しいことは次回にしよう。
投稿者 sekiguchi : 2005年03月12日 02:50