STEREO CLUB TOKYO

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シンクロ調整

 リアリストは外部補助光源として閃光電球を使用することを前提に作られているから、ホットシューの接点はシャッターが全開する数ミリセカンド前に接触するように調整されている。それは、閃光電球は電流が流れてフィラメントが燃焼しはじめ、最大光量に達するまでに数ミリセカンドのタイムラグがあるからである。低速シャッターで全開している時間が比較的長い場合はこのような遅れ調整がなくても良い。しかし最高速でもシンクロするためには、シャッターが全開する僅か前に閃光電球のトリガーをする必要がある。
 一方、ストロボはトリガーの瞬間に発光し、閃光電球に比べればタイムラグはほとんど無いといってよい。だから、ストロボを使うとシャッターが全開する前に発光してしまう。実はこのタイミングは、シャッターが8~9割開いた時点であるし、シャッターの機構を考慮すると実用上は影響を無視しても良い。しかし、絞り開放で高速側シャッターを使い、かつストロボの光量をフルに使いたいなどの特別な場合はこの調整が有効になる。
 調整方法は至って簡単。レンズボードのネジ4本を外し、これを開けるとシャッター機構が丸見えになる。左右のシャッター羽は連結棒①でつながれている。これを向かって右方向にスライドさせると、左右のシャッターが同時に開くのがわかる。連結棒の右端にシンクロ接点があり、コードでつながれた銅合金の電気接点②と接触するしくみになっている。オリジナルの状態だと、シャッターが全開する前に接触する。調整は②の合金板に力を加えて曲がりの状態を変える。合金板を取り外す必要はない。連結棒をスライドさせながらシャッターの開き具合と見比べ、接触位置の調整をする。
 ちなみに、シンクロしないなどの不良の場合はコードの断線、合金板とボディとの絶縁不良、ホットシュー部分とストロボ側接点の接続不良が考えられる。

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投稿者 sekiguchi : 2006年05月14日 11:29


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