STEREO CLUB TOKYO

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フィルムレールの摺動(前編)

 このコラムの初めの方で、レンジファインダーがギクシャク動く場合はフィルムレールの動きも悪くなっている可能性があることを紹介した。この原因には二つのことが考えられる。一つはフィルムレールとボディの摺動部のすり合せが良くない場合で、この場合の対処は重分解が必要である。その方法は次回に紹介するとして、もう一つの原因については簡単に対処できるので先に紹介しよう。
 裏蓋を開けてフォーカシングダイヤルを回すと、フィルムレールが動く様子を観察できる。ここで巻き戻しダイヤルを「A」にしてスプロケットギアを回転させ、ギアのロックがかかっていない状態にしてみる。フォーカシングダイヤルを回すとフィルムレールの動きが悪いはずである。これはスプロケットギアの軸に抵抗がかかっているためだ。スプロケットギアの軸はフィルムレールの軸受に乗っているのでこの現象が起きる。巻上の途中でフォーカシングの操作をしても正しく合わないことがある。
 この他でレールの動きが悪い場合は、レールの復帰ばねが弱くなっている。レールは裏側から2本の復帰ばねでボディ側に引っ張られている。これを交換するというのも手間がかかる。実はレールの復帰にはこのばねだけでなく、フィルム圧板①も作用しているのだ。まずはこの圧板をよく観察し、歪みがないか確かめる。歪んでいる場合は僅かに力を加えて矯正しておく。次に、圧板を止めているネジ②を外し、板ばねを矯正し強化する。このときに連結しているリベット部分③に力がかからないように注意する。ムリな力がかかると破損する。あまり強く矯正する必要はない。圧板が適度にフィルムレールを押し戻すようになれば問題は解決するはずである。それでも直らない、という場合は後編に続く。
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投稿者 sekiguchi : 2007年02月25日 16:36


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