STEREO CLUB TOKYO

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シャッターのチューニング(補足)

 前回まで、シャッターのチューニング方法について紹介したが、シャッターの設定には「T」と「B」がある。両方の設定があるステレオカメラは珍しいが、これらのシャッター機構はなかなか凝ったものになっている。設定カムをTまたはBにすると、設定カム①によりガバナーのスロー制御が解除される。シャッターをチャージすると、シャッターボタンに連結する保持爪②に回転リング③が掛かり保持される。レリーズするとこの保持が解除され、回転リングが時計回りに動き出す。B、T以外であれば、回転リングはガバナーで制御されながら動くことになる。B、Tの場合、保持爪②の下にもう一つの保持爪④が用意されていて、シャッター羽が開口した位置で再び回転リングをキャッチする。B、T以外ではこの保持爪④が作動しないよう設定カムが働く。
 Bの場合はシャッターボタンを押している間、保持爪④がキャッチをし、Tの場合は2回目のシャッターでリリースするようになっている。Tの場合、2回目のシャッターは多重露出防止のロックがかかるのでこれを解除しなければならないのだが、このロックには多少の遊びがあり、保持爪④がこの遊びの範囲で作動するように調整するとロックを解除せずにシャッター閉の操作ができるようになる。これにはロックの遊び調整と、保持爪④に連動するレバー類を調整すればよいのだが、微妙な調整になる。不用意にこれを行うとB、Tの機能そのものが損なわれる可能性が大きいため、十分注意したい。
 もう一つ、シャッターストロークは機体によって若干の差があり、深すぎるストロークは使いづらい。このような場合はシャッターボタンと、それによって押されるリリースレバー⑤との遊びが大きいためであるから、リリースレバーのコンタクト部分を曲げて上方にアップさせるか、適当なスペーサ-を貼り付ければよい。
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投稿者 sekiguchi : 2007年02月25日 17:12


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