STEREO CLUB TOKYO

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ヨーロピアンVSリアリスト

 アメリカを中心に広まったリアリストフォーマットカメラは中古マーケットでの入手性もよく、観賞に必須のビュアーも種類が多く、とても使いやすいシステムである。リアリストのほぼスクエアに近い画面は、幅広い被写体にマッチするフォーマットでもある。一方で、ヨーロッパを中心に広まったヨーロピアンフォーマットカメラは、数は少ないものの、横長の画面が風景などの作画に向いている、より臨場感を得るのに向いている、などの理由で人気が高い。ただ、このフォーマットのカメラは入手性が悪いばかりでなく、リアリストに比べて次のような制約もある。
・FED-STEREOもしくはFED-BOY
 オートマチックカメラであり、絞り、シャッタースピードの自由な選択は不可能。
・初期型イロカステレオ、ベルプラスカ
 距離計がなく、目測でフォーカシングをしなければならない。
・べラスコープf40
筐体内の内面反射処理が悪く、フレアを生じやすい。また、シンクロ接点が特殊であり、ストロボ撮影が難しい。
 これらのカメラにはリアリストにはない機能や、独特の素晴らしい描写をするレンズであるなど、決して優劣を比較するべきものではない。しかしリアリストと同じ撮影設定の自由度を持つヨーロピアンフォーマットカメラが存在しないのも事実である。であるならば、リアリストをベースにヨーロピアンフォーマットへの改造ができないかと考えた。海外では委託改造として引き受ける業者もあるらしい。世の中にあるのならできるはず、という意気込みで、個人ベースで改造する工夫をしてみた。十分実用に耐えるものができたので次回に詳細を紹介しよう。

#A19.jpg
※写真のベルプラスカは、距離計を取り付けて使いやすくした状態

投稿者 sekiguchi : 2007年03月17日 15:39


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