STEREO CLUB TOKYO

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ビューマスター・パーソナルのひみつ

 リアリストとは全く異なるフォーマットのカメラである。ビューマスター・リールと呼ばれるディスクに7組のステレオペアのスライドをセットし、専用のビュアーで観賞する。ビュアーのレバーを操作すると順番に画面が切り替わる。これは玩具として現在も販売されている、観賞専用のビューマスター・リールと同じフォーマットである。現在も販売されているといっても、日本国内で販売店を見つけるのは難しい。海外の玩具店では定番商品として店頭に並べられており、アメリカのみならずヨーロッパの空港の売店でも普通にビュアーと現行ソフトを探すことができる。この他には海外通販で新品のビュアーを購入することができる。
 このカメラはユニークで、フィルムの上下を2分割して使用し、巻き上げながら上段で撮影したらレンズを下段にセットして巻き戻しながら撮影を継続する。詳しいことは他でも紹介されているのでここでは割愛するが、タテ8mm、ヨコ11mmの小画面ながら、十分楽しめる画質で撮影することができる。レンズは25mmf3.5であり、普通の画面サイズなら広角レンズになるが、画面サイズが小さいため画角としてはリアリストよりも狭くなっている。画面サイズとレンズ焦点距離の関係で被写界深度を大きく取ることができるので、パンフォーカスでの撮影が容易にできる。それ故、フォーカス機構がない。
 メカとしてのカメラ機構は非常に丁寧に作られており、ファインダー内に水準器がついていたり、シャッタースピードと絞りの設定が簡易露出盤を兼ねた配置になっていたりと操作面でも優れたデザインだ。現像後のフィルムは専用カッターでリールにセットできるように切り抜く必要があり、カッターなしでこの作業を行うのは極めて困難。残念なのはブランクリールの製造が数年前にストップしており、デッドストックを高値で入手せねばならない状況が続いている。使って楽しいシステムだから、一日も早いリール供給の再開が望まれる。

ビューマスター.JPG

投稿者 sekiguchi : 2008年04月19日 22:25


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