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圧板の修理

 ベルプラスカで撮影すると、必ずフィルムに横線が入ることに気がついた。乳剤面ではなくて裏面だから、圧板かどこかにキズの原因となるヤツが潜んでいるはずだ。漫画に出てくる虫歯菌のような、とんがった槍を持ったヤツが必ずいる。
 そう思ってカメラのあちこちを触ってみるんだが、どうにもよくわからない。キズはとても小さいので、人間の指先では感知できないような小さなヤツなんだろう。原因と考えられるのはやっぱり圧板だ。このカメラはオークションで購入したのだが、圧板の一部に塗装の剥がれがあった。当然、この部分は自分で丹念に補修したのだが。
 何回か塗装の補修をやり直したのだが直らない。仕方が無いので圧板を交換するしかない。しかし、オリジナルの圧板を外してしまうのは心苦しい。オリジナルに近い形で、もう一度修復する機会があるかもしれないのだ。できることなら、大きく手を加えないで修復したい。なんとかする手はないかなぁ。散々悩んだ。
 そこで選択したのが、オリジナルの圧板の上に、薄い新しい圧板を貼り付ける方法だ。新しい圧板はジャンクカメラから採取することにした。ちょうど2台で400円のコンパクトカメラがあったので、この圧板を取り外す。プラスチック素材なので、裏側を紙やすりで薄く削ってゆく。この作業は簡単そうで実は難しい。均一に削るには訓練がいる。僕は昔、金属の顕微鏡試料を研磨することばかりやっていたことがあって、その経験のおかげでうまく削ることができるのだ。
 新しい圧板をベルプラスカにセットできるようにカットする。切り口の角は丸く削り落として、ここは研磨で滑らかにする。プラスチック用のコンパウンドを使い、最後はCDのキズ修復用の研磨剤を使った。これをオリジナルの圧板の上に、両面テープで貼り付けた。この結果、キズは発生しなくなったのだが。・・・虫歯菌のようなヤツは、まだ両面テープにくっついている。

ベルプラスカ圧板.JPG

投稿者 sekiguchi : 2010年01月20日 10:00


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