STEREO CLUB TOKYO

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マツムシソウとタテハチョウ 

 高山植物というのは日常ではあまり触れることのない花が咲き、観賞の対象として面白い。シーズンオフのスキー場など、夏場の観光用にリフトを運転しているところもある。こういったものを利用すると楽である。本格的に山に登る装備をしなくても、撮影機材が多少あっても山の上のほうに行くことができる。山を徒歩で降りながら撮影するというわけだ。
 だいぶ前になるが、長野県の車山高原に行くことがあった。初夏のさわやかな風が吹く中、ステレオ撮影機材を担いでリフトに乗った。山々が見渡せ、雲がたなびき、いい気分である。リフトから眺める足元には、色とりどりの花が咲いている。あれもこれも珍しい。リフトを降りたら順番に撮影しよう。撮影意欲が涌いてくる。
 だが、リフトを降りたとたんに気がついた。予備のブローニーフィルム全部を車の中に置き忘れてきたのだ。機材の準備をするときに、10本入りの箱ごと座席の足元に置いたのだ。日が当たって温度が上がらないようにと一時的に置いたのだ。それをバッグに入れ忘れた。リフトを降りたとたん、記憶のスイッチが入ってそのときの記憶が鮮明によみがえったのだ。
 下りのリフトに乗ってフィルムを取ってこようか、とも思ったが、とりあえず手持ちのフィルムで撮影しながら降りると決めた。これがいけなかった。スキーで降りるのなら1分もかからない。そんな記憶が判断を誤らせた。撮影しながら徒歩で降りると思ったより時間がかかる。1時間歩いて半分しか消化できない。こんなに時間がかかるとは思わなかった。
 カメラのフィルムカウンターを気にしながら撮影するのは疲れる。ようやく下まで降りきったときには疲れ果てていて、フィルムを持ってもう一回登る気にはならなかった。一休みして、別の撮影スポットで気分を変えることにした。
 デジタルでもフィルムでも、撮影前の機材点検。これ、とっても大事です。

高山植物1.jpg

投稿者 sekiguchi : 2010年05月25日 10:00


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