STEREO CLUB TOKYO

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バナジウム鉱

 理科の時間で習った元素の周期表に「V」がある。ビクトリーじゃない。バナジウムである。そんなの知ってるという人も、じゃあバナジウムってどんなの?と聞いたらわからないはずだ。金属元素の一つだが、鉄とか銅とかと同じような仲間といわれてもピンとこない。僕も金属の固まりとして見たことがない。身近にバナジウムでできた製品なんて無いからだ。
 なじみの無いようで、実は世の中には大切な元素なんだ。主には強度の高い鉄鋼を作るための合金成分として使われる。普通の鉄製品には使われないけど、焼入れをして硬く、しかも粘り強い鉄鋼にするため添加される。バナジウムのおかげで強靭なハガネが生まれる。産業を支えるために必要な金属なのだ。これが無いと我々の豊かな生活はありえないのだ。
 結構身近なところで使われているバナジウム。姿を見たことはないこの金属だが、鉱物の世界ではバナジウムを含んだ美しいものがある。その名はVanadinite、そのまんまの名前ですね。それを東京ミネラルフェアで発見した。
 というわけで、鉱物の世界第2弾。この鉱石、たくさんの赤い結晶が並んでいる。結晶の表面がガラスのような光沢をしているのでキラキラ光って見える。この中にバナジウムが含まれているのだ。でも、ここからバナジウムを採取して生活に役立てているのではないそうだ。重量当たりの含有量が少ないので産業用途としては不向きだという。
 ステレオ撮影して拡大して見ると本当に面白い。こんなものが地面の中から出てきたというのだから、地球というのは不思議なものだ。それにしてもこの赤い結晶、あまりに真っ赤なので体に悪い物質じゃないかと思ったりする。ちょっと舐めたりしたら体がしびれるのではないか。まあ、そんなことは無いのだろうけど。でも舐めたりしませんよ。
 ステレオの鉱物図鑑があれば面白いのに。将来、ディスクになったデジタルステレオ図鑑なんていうのが登場しないかな。

鉱物2.jpg

投稿者 sekiguchi : 2010年08月27日 10:00


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