STEREO CLUB TOKYO

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巻上げが重いナ

 リアリストを使った人なら、誰もが感じるのが「フィルム巻上げのノブが重い」であろう。重症の機体になると、ノブのギザギザが指に食い込んで痛い。なんでギザギザになっているんだ!と憤慨するほど重いことがある。これでは撮影する気力も失われるというものである。快適に操作ができないカメラでよい写真が撮れるはずがない。
 そんなわけで、以前にメンテナンス方法を紹介した。分解して古い油と汚れを取り除き、注油することで巻上げが驚くほど軽くなるのだが、僕が持っている機体の中で特に軽いものがある。フィルムが入っていないんじゃないかと思われるような軽さで、スイスイノブが回るのだ。フィルムの終わりの端まで、ストレスフリーで巻き上げることができる。
 何でこんなに軽いのか、よく考えてみた。普通、メンテナンスをしても多くの場合はフィルムの終わりのほうでだんだんと巻上げが重くなる。たぶん、巻き上げスプールとフィルムが完全に平行じゃないためだろう。特に巻き上げの軽い一台は、たまたまスプールの位置がベストな状態なんだろう。さて、巻き上げ機構を分解してみよう。
 スプールは中空になっていて、組立のときに巻き上げ軸が差し込まれるのだが、スプールが軸に対して斜めに固定されると巻上げが重くなるのだろう。スプールの下側に軸をガイドする穴がない。これがわずかに平行にならない原因だ。
 改良案がある。ポリプロピレンの下敷きのような、加工のしやすいプラスチックのシートを用意する。これでドーナツ状の円盤を作り、スプールの下側にセットする。ドーナツの穴は巻き上げ軸の径に合わせておくというもの。これならスプールは平行になって、巻上げが軽くなるはずである。同心円になるように注意深く加工しなければならない。
 この改良案、まだ試してはいないが、きっと良い結果が得られることだろう。結果は・・・そのうち報告しよう。
巻き上げ.jpgスプール改良.jpg

投稿者 J_Sekiguchi : 2011年03月03日 10:00


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