STEREO CLUB TOKYO

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ヒートシール方式への実験

 過去に、マウントを自作するためにカッティングプロッターという機械を購入し、これで厚紙を切り取る方法を紹介した(*)。この方法はなかなか便利なもので、プレスで型抜きする方法と違い、マウントデザインを都度変更することができ、高価な金型や大掛かりなプレスマシンを使用しない。ホビーユースとして最適だ。公開するのは、この方法の続き。
 過去に紹介した方法は、マウントの貼り合わせを一般的なスティック糊で行うことを前提にし、糊付けがやりやすい形のマウントをデザインした、というもの。手法として、一応の完成に至ったと思われたが、継続して作業をしてゆくとやはり不便を感じる。繊細なフィルムを扱う作業と、糊を扱う作業は、作業の流れの中でどうしてもなじまない。
 アイロンの熱で貼り付ける、ヒートシールマウントはこの点でやはり優れていた。こんなドライタイプの接着剤というのは今の世の中、いろいろな工場の中で大活躍しているという。一般的には「グルーガン」の名称で売られているものが有名。工業用にはさまざまな特性を持つ接着剤があり、ホットメルトと呼ばれ、どれも主成分は熱可塑性の樹脂だ。
 ふと、手元にあったスティック糊の成分を見ると、PVPと記されている。ポリビニルピロリドン。まさに樹脂である。もしかしたら、これらの樹脂製の糊はヒートシールと同じ効果を持つかもしれない。さっそく実験である。
 いろいろな糊を短冊状の紙片に塗り、乾いた後で同じ糊面同士を向かい合わせ、アイロンで接着する。結果は、2種類の糊を除いて完全に接着した。接着力が出なかったのは「何度でもはがせる」というタイプと、定番の赤いPrittである。Prittの主成分は不明だが、100%植物由来であるというから、熱可塑性の特性は持たないのであろう。
 さて、新しい発見をしたので、これを基に新しいマウントの製造法を考えてみたのである。(つづく)

(*) 「ステレオマウント」のカテゴリーを参照ください。

接着テスト.jpg

投稿者 J_Sekiguchi : 2011年05月09日 10:00


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コメント

門下生になっております。
うひゃ、ヒートシートの研究ですか。
それから、ビューマスターリール編も

投稿者 テツオです : 2011年05月09日 20:26

うひゃ、門下生だなんて。大先輩にそれは恐縮でございます。

うひゃ、誤記がありました。直しておきました。
×「熱硬化型」
○「熱可塑性」
実は、他のページも誤記を見つけてはこっそり直しています。

投稿者 sekiguchi : 2011年05月09日 22:05