STEREO CLUB TOKYO

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K2をもらって来た男

 僕の手元に、旭光学のK2がある。結構気に入っている一台だ。システムカメラではないけど、がっしりとした安心感がある。持ってみると大きさと重さから、昔のカメラだよなぁという感じが伝わってくる。オモシロイ。
 このカメラも中古品である。どこのどなたが使っていらっしゃったのか。でもまあ、大切にされていたのだろう。ケースに入れたまンま、醗酵が進んでいた。レンズもボディもカビだらけだったのだ。酸っぱくなったキムチのレベルを超え、梅雨時の放置食パンのような姿であった。これはすでに腐敗だろう。
 そんな境遇のコイツはなじみのカメラ屋からタダでもらって来たもの。別に買い物をするわけでもなく、店の前を通った際に挨拶をすると、まあ寄っていきなさいという。長話になるのも嫌だなあ、と思いきや、タダでカメラを持って行けと。ストロボも付いているよ、というのだ。そんなうまい話があるものか、と思えばこの始末。
 なんでも、下取りで引き取ったが、ここまで汚いと扱いようがないというのである。捨てちゃおうとしていたら、たまたま僕が通りかかったというわけ。この店の売り上げに全く貢献していないので遠慮していたが、そう言わずにどうぞ、どうぞ、ということでもらった。そのお店もだいぶ前になくなってしまって寂しい限りであるが・・・。
 そんな哀愁漂う一台なのだが、カビが蔓延しているだけで本体は健全そうであった。そこで、以前紹介したカビ取りの秘技を使い、レンズもミラーも復活した。モルトプレーンも取り換え、使える一台になった。
 これにペンタックスのステレオアダプターを取り付けて撮影をしている。専用のビュアーがないので稼働率がとても低いのだが。因みに、いっしょにもらったストロボは、自作マクロステレオカメラに最適の仕様だった。

ペンタックスK2.jpg
カビの王道楽土は壊滅し、美しいsmcコーティングの輝きがよみがえったのであった。めでたし。

投稿者 J_Sekiguchi : 2012年03月22日 10:00


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