STEREO CLUB TOKYO

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工業規格

 カメラのストロボ接点で、丸型同心円のソケットがある。デジタル時代になってあまり見かけなくなったが、ちゃんと工業規格で仕様が定められている。JISB7102「カメラの同調発光機構のソケット及びプラグ」として、寸法と公差、その他の要求事項が記されている。JISは日本の工業規格だが、このソケットの仕様のもとはドイツだという。
 こんなふうに国家レベルで規格が定められていると、作る工場がまちまちでも互換性が生まれる。使用者には大きなメリット。年代さえも超越して使用できる。広範囲に使われるネジなんかも規格で作られている。
 汎用工業製品の仕様が明確になっていることは、その国の工業力の維持につながる。だからJISは、日本の工業近代化の早い時期に制定された。ストロボ接点のJISの、最後の方を見てごらんなさい。大学の先生とかカメラメーカー各社の、編纂に携わった方々の名前が列挙されている。メーカー各社の技術者達の知恵が集結されている。
 さて、そんな素晴らしい接点であるが、リアリストには備わっていない。当時のアメリカでは一般的な規格ではなかったのがその理由だろう。リアリストのホットシューは公の規格にはならなかった。カメラ筐体を穿孔して新しい接点を付けることもできるが、それではリアリストのオリジナリティが失われてしまう。だからアダプターで対処するのだ。
 リアリストの「でべそ型」ホットシューに取り付けるアダプターについては以前に紹介した。これは米国の一部の熱心なマニアが自作したものを購入したものだった。自作をするなら自分でもできる。いや、もっといいものが作れる。
 というわけで、中古カメラ店のパーツコーナー(素材市場)を漁る。偶然にも見つけたのがPENTAXのホットシューアダプターP2というもの。これをリアリスト用に改造してみよう。きっといいものができあがるはずである。

シンクロc.jpg
ホットシューアダプター改造の顛末は後々ご紹介いたしましょう。

投稿者 J_Sekiguchi : 2012年06月28日 10:00


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