STEREO CLUB TOKYO

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ストロボが発光しない!

 リアリストにストロボを付けて撮影していたある日。ストロボが発光しなくなった。ストロボの故障や、電池が消耗したのでもない。こういうときは大体において、カメラとストロボをつなぐコードの接触が悪くなっている。電気というのは目に見えないところが厄介だ。繋がっているようで繋がっていない。そんな状況を眼で見て分かるならどんなに楽なことか。コードを抜いたり挿したり。何回やってもストロボが発光しない。どこを見てもおかしなところがない。
 こういうときはカメラの内部を疑ってみる。リアリストのトリガー回路は簡単だ。レンズボードを外せばシンクロ接点とコードが見えるから異常のチェックは簡単。コードが外れているのかもしれない、ということでネジを回す。
 あけてビックリ。なんと、コンタクト部分にあるはずの接点部品が取れてなくなっているではないか。銅合金の板バネの先端に、小さなでっぱりが付いているはずなのに。これがない。丸い穴だけになっている。これではストロボが発光しないわけだ。この部品、銀でできているらしい。接点の導通不良を防ぐため、あえてコストのかかる部品を採用していたらしいのだ。さすがは部品の手抜きをしないモノづくり。立派である。だが、なくなったものをどうやって補おうか。
 途方にくれていたが、もしかしたらまだカメラの内部に転がっているんじゃないか。そう思って丹念に探したら出てきた。銀の小さなヤツが、コロリと。よかった。新しく銀で作るなんてとてもできそうになかったからね。だが、これを再び取り付けるのにどうやるかかなり悩んだ。オリジナルはカシメで取り付けているらしいが、うまい具合に再カシメできるとは思えない。絶縁体である接着剤を使ったのでは意味がない。導電性のある接着剤なんてあるのか。ハンダでくっつくのか。。。
 悩んだ末、絶縁しないように、エポキシ接着剤で部品の周囲を囲むようにして接着した。完全復活。よかったよかった。

コンタクト.jpg

投稿者 J_Sekiguchi : 2012年07月05日 10:00


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