STEREO CLUB TOKYO

« いにしえの露出計 | メイン | ①ドイツへの旅 »

ひとりぼっちのフィルム人

 デジタル・ステレオカメラが世の中に登場したと同時期に、フィルム・ステレオカメラの世界ではマウント台紙の供給がストップした。チェスで言うなら、チェック・メイト。王手詰みである。もはやステレオ界でもデジタルが主流。
 それでもebayのステレオカメラカテゴリを監視すると、まだまだフィルムカメラが出品されている。過去に比べて、これはと思うようなものは少なくなってきた。だが値段はだいぶ安くなってきた。それでも珍しいものが出ると、そこそこの入札があって賑わっている。かの有名なDr.T氏も、相変わらず売り手としてご活躍のようである。
 Dr.T氏は、ギリシャ系の米国人で、ステレオリアリストの本を書いたり、各地のステレオイベントに登場したりと、ステレオ写真の世界ではカリスマ的な存在だ。彼とは何度も、ebayで取引をさせてもらった。
 そんな彼と最近になってまたebayで取引をした時のこと。メールで「僕はまだフィルムカメラを使っている。アナタから購入したものは実用に供するだろう。ありがとう」と彼に送ると、「ワタシは既にデジタルに移行した。フィルムの物品を処分している」との返事。なんとまあ。Dr.Tもフィルムをやめてしまったのか。さびすぃい~。
 処分するならもっと安くせんかい。とも思ったけどね。カリスマはまだまだフィルム派のはずという期待は崩れた。まあ、そんなわけで、フィルムのステレオカメラ「だけ」を使い続けることにこだわっているのは、世界広しといえども僕だけのような気がしてきました。えっ?そうでもない?あなたも・・・もしや・・・ああ、そうですか。デジタルですか。
 僕の中では、王手はされてもまだ詰んではいない。だが、逃げ回っているのでもない。いつか、フィルムにしかできない大技を編み出して、デジタル界に大手を突きつけたい。そんなことを・・・思ってはおりません。ホントに。

DrT.jpg
Dr.Tのリアリストガイドブック。1999年初版本でございます。

投稿者 J_Sekiguchi : 2012年07月19日 10:00


URL: http://here.there.jp/mt-tb_there.cgi/3498

コメント

ありゃ、そうなのーー。
同じ感慨と思う。複雑。

投稿者 テツオ : 2012年07月19日 18:50

まあ、当然の流れといえばそうなのですけどW
僕はデジタルをはじめてもフィルムも続けるツモリです。たぶん、Dr.Tも同じだと思うんですけどねー。

投稿者 J_sekiguchi : 2012年07月21日 15:36