STEREO CLUB TOKYO

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EMDEマウント

 紙製ヒートシールマウントの供給が途絶えて久しい。海外の通販サイトをよく見ても、新しいマウントの供給に関する情報は入ってこない。ebeyを検索しても、紙製マウントが出品されることは珍しく、比較的高めの落札になりやすい。
 そのebeyをパトロールしていると、ガラスマウントである“EMDE”マウントを時折見かけることがある。これは過去に作られたストックが放出されているのであって、今でも作られているものではない。僕はこのマウントをいくつか所有しており、気に入ったカットが撮れた時など、特別な場合に使っている。いいものだからちょっと紹介しよう。
 構成は、2枚の板ガラスとこれに挟まれるフィルム枠、全体をシールするアルミ製の外枠から成る。外周はリアリストマウントのサイズと同じ。少し厚くて重いけど、どのようなビュアーでも使うことができる。
 マウントの手順は、まずフィルム枠にカットしたコマをセットすることから始める。普通のマウントと同じように、ステレオウインドウが正しくなるように位置を合わせる。僕はコマを固定する方法として、市販の粘着テープを使っている。小さく切ったものをコマの四隅に貼るのだが、これをしないと後でずれたときに困るのできっちりやるべし。枠は薄いアルミ板でできていて、遮光性は抜群に良いし、窓枠のエッジもきっちりしている。何より仕上がりがきれい。
 ガラス板はあらかじめきれいに磨いておき、ブロワーで埃を落としてからフィルム枠をサンドイッチする。この状態で外枠に入れ、枠の挿入口を折り返して閉じれば完成だ。ラベルなどをいっしょに封緘することもできる。
 何枚もあると重くて扱いにくいが、フィルムへの傷つきを気にしないで気楽に取り扱えるのがいい。こういった方法を応用し、ポリカーボネートの板を使って自作したらどうだろう。軽くてカッコいい自作マウントが作れそうなんだけど。

投稿者 J_Sekiguchi : 2012年10月11日 10:00


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