STEREO CLUB TOKYO

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ステレオアダプター

 今はもうブランド名だけになったペンタックスが、旭光学工業だった頃。この会社は面白いものを作っていた。レンズの先端に取り付けて、90°横を撮影するアダプターがあった。中にミラーが仕込んであって、横の窓から撮影するというもの。カメラの正面にはダミーのレンズを取り付けてある。スパイ撮影アダプターなんて呼ぶ人もいた。どこかの国のB級映画で、スパイに使わせているシーンもあったように思う。
 今なら発売することも、それを使うことも怪しいシロモノ。まあ、普通に考えて常用する場面なんてないんじゃないかと思う。同じようにミラーで構成されたオモシロ製品にステレオアダプターがある。
 僕がリアリストを手にする前、このステレオアダプターを購入した。ミラーだけの光学系だから安価だったと記憶している。専用のスライドビュアーも発売されていたが、ネガで撮ってプリントし、裸眼立体視すればいいと考えていたからビュアーは買わなかった。ちょうど裸眼立体視が流行っていた頃だから、これでイイと思ったのだ。
 初めの頃は立体に見えることに喜んでいたのだが。裸眼立体視のできない人は全くの無反応。それに、画面を左右に分割し、分割位置に黒い帯ができる関係で縦長の画面にならざるを得ない。レンズの絞りもF8前後にしなければならないとか制約が多く、使いづらいものだった。そんなわけで、あまり使わないまま現在に至る。
 最近になって工夫次第でオモシロイ使い方ができるんじゃないか、なんて考えている。当時のスライドビュアーを探してくるもよし、デジタルカメラに取り付けるのもよし。ポジフィルムで鑑賞するのが一番良いのはわかっているが、プリント&トリミングを活用して楽しむのもいいかもしれないと思い始めている。さて、どうするか。

投稿者 J_Sekiguchi : 2013年04月04日 10:00


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