STEREO CLUB TOKYO

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1042/Kodak Ektar 36mm F2.8

 1042シリーズは、CUSTOMを除くF2.8レンズを装着したモデルを指すが、初期のレンズはコダックから供給を受けた銘玉Ektarレンズが付いている。他のリアリストと異なる焦点距離36mm、フォーカスダイヤルの最短側表示も2と1/2フィートではなく3フィートになっている。ボディは最高速1/200秒のシャッターに換装した1041初期モデルをベースにしているので、二重露出防止機構・解除機構がなく、巻き上げ制御も古い機構を使用している。
 当時のコダック社はフィルムだけでなく、優秀なレンズとカメラの一大供給メーカだった。Ektarの名は大判用のコマーシャル・エクターなどにも見られ、今でも独特の描写をすることで人気がある。リアリストのこのモデルも、その独特の描写をするのだ。解像度、コントラスト供に高いが、硬すぎる描写にならずに中間調をうまく表現してくれる。特に暖色系のディテールの表現がいい。総じてバランスの良い落ち着いた描写とでもいうべきか。レンズ構成は3群4枚のテッサータイプで、マゼンタの美しいコーティングが施されて逆光にも強く、ボケも自然な感じで使いやすい。
 このカメラは珍しいことに、左右の絞りリングに分かれてWHITE社、コダック社の刻印があるダブルネームだ。当時のコダックは硝材の開発も積極的に行い、現在では使われない添加物も使ったらしい。一体このレンズにはどんなひみつがあるのだろう。
 さて、このモデルは生産数が極めて少ないこともあってなかなか市場に現れない。米国では1041モデルの8倍以上の高値で取引されているが、程度のよいものはなかなか少ない。もし程度のよいものが市場にでれば、Ektarコレクターも欲しがるからすぐに売れてしまう。あなたがこれをどうしても欲しいなら、見つけたときに即買うべし。

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投稿者 sekiguchi : 2004年12月04日 18:47


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