STEREO CLUB TOKYO

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ブラック・リアリスト

 昔のカメラは銀梨地が多かった。なんで銀梨地なんだろう?まあ、それはともかく昔の日本の一眼レフで、突然ブラックボディが大流行した時期がある。これが結構カッコよくて、値段も高かったりした。ブラックは樹脂塗装である。塗料というのはホームセンターでも売っているが、実は金属面に強い塗装を施すというのはとても難しいことなのだ。そのへんで売っているラッカーなんかを塗っても、簡単に剥がれたり、爪で傷がついてしまうほど弱い。
でも、市販品だけどそのへんでは売っていないマニアックな塗料が夢をかなえてくれる。
 リアリストにブラックボディはないが、あったらさぞカッコいいことだろう。というわけで、ブラック・リアリストへの改造に挑戦だ。とはいえ、わざわざ美しい銀梨地のボディを塗りなおすのはもったいない。被験者は、機能的に問題ないものの、醜い傷と錆の生じた機体を選定した。まず分解し、塗装するパーツに付いている部品を全て外す。サンドペーパーと溶剤で徹底的に洗浄し、傷の部分はパテ埋めをする。塗料は硬化した後の塗膜が固い二液硬化型のウレタンスプレーを使う。今回はブラックだが、お好みでどんな色にしてもいい。これを吹く前にパーツにマスキングをし、プライマーで下地処理することを忘れないように。プライマーはメッキ面にも使える強力なものが市販されている。
 ウレタンスプレーを均一に吹き付け、硬化した後は、表面に多少の気泡やゴミの付着もあるので研磨剤で塗装面を研ぐ。軍幹部の指標は再現が難しいので、今回はあらかじめパテ埋めし、白文字入れでデザインし直すことにした。この上に、更につや消しクリアーの塗料を薄く吹けば塗装完了。組上げると美しいマット・ブラックのリアリストが誕生した。
と、まあ簡単に書いてみたけどやってみると結構大変だった。かなり根気が要る作業だから、チャレンジする人は覚悟を決めて臨んでくれたまえ。

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トップカバーのみ塗装

投稿者 sekiguchi : 2005年08月27日 18:16

シャッタースピードのひみつを探る

 リアリストフォーマットはカメラやマウントなどの入手性が良いので立体写真にエントリーするには便利なシステムだ。しかし、問題なのは過去に作られたカメラで撮影するしか方法がなく、シャッターの信頼性に多少の不安があることだろう。クラシックを楽しむと割り切ってしまうだけではちょっと寂しい。まだ動くとはいえ相当昔のカメラである。シャッターの精度はどの程度なんだろう?測定器があれば確認できるが、こんなものは秋葉原に行っても売っていない。んじゃ、しょうがないな。工夫してみっか。
 シャッターの開口時間を計る方法に限定すれば測定器の回路設計など要らぬ。乾電池とcdsセルをつなぎ、これをパソコンのマイク入力に投入する(でもテキトウにやっているからパソコンが壊れないか心配)。cdsで明るさの変化を電流の変化に変換し、音声信号として取り込むのだ。音声解析ソフトで変化をグラフに表示し、グラフからシャッター開口時間を割り出す。サンプリング周波数が高いからそれなりの測定精度は出るはずだ。
 リアリスト数台を計測したところ、最大で半段ほど露出オーバーになる傾向が出た。やはりバネのへたりか。特に最高速側が落ちている。しかし、同じスピード内での繰り返しでは、ばらつきが小さいこともわかった。カメラの基本性能は現代の高性能フィルムにも十分対応できるはずだが、やはり年月によるコンディション低下は免れないのか。中古販売店でシャッターまで正確に調整したものは少ないだろう。繰り返し撮影し、自分のカメラがどの程度露出計と差を出してしまうのか知ることしか対処方法はない。
 でも、せっかく測定ができるようになったのだ。何とかならぬか。というわけでガバナーの分解、スプリング交換、カム調整というかなり大掛かりな調整をし、苦労の末、信頼性抜群のリアリストが誕生した。苦労の顛末はいずれご紹介しよう。

R40_1.jpg

投稿者 sekiguchi : 2005年08月27日 18:12