STEREO CLUB TOKYO

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ヨーロピアン・ビュアー

 ステレオフォーマットといえば、パーフォレーション5つのリアリストサイズの他に、ややマイナーではあるがパーフォレーション7つのヨーロピアンサイズがある。ほぼ正方形のリアリストは構図を作りやすく、僕としてはとても気に入っているフォーマットだが、横長画面のヨーロピアンも風景で使うとワイド感があって捨て難い魅力がある。カメラとしてはベルプラスカやベラスコープf40、FEDステレオなどがあるが、ビュアーが入手困難だ。欲しくてもほとんどマーケットに出てこない。手に入ったとしても、レッドボタンほど快適に使えるようなものではないらしい。
 レッドボタンビュアーはヨーロピアンフォーマットには対応していない。ビュアー内部の画面マスクがリアリスト対応のサイズだからだ。横長の画面では左右両端が照らされない。では、このマスクを削って広げてやろう。筐体はベークライトでできているから、ヤスリで削れば手作業でも何とかなる。ちょっと根気がいるけどね。さて、実際にやってみると、実に快適に鑑賞できるビュアーが完成した。画面の隅々までランプで照らされ、くっきりと見える。レンズの視野が十分あるかな?と心配したが何の問題もない。リアリストサイズも今まで通り使える。
 とても有意義な改造ではあるのだけど、オリジナルの姿を変えてしまうのでちょっと抵抗がある。試してみようと思われる方は慎重に作業をして下さい。失敗しても元に戻らないからね(成功しても元に戻らないけど)。
 あれ?このコラムはリアリストのコラムだよね?ヨーロピアンフォーマットのための改造?・・・と思われている方へ。ちゃんとリアリストをヨーロピアンフォーマットに改造するワザも用意している。そのうちご紹介します。お楽しみに。

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投稿者 sekiguchi : 2005年07月31日 23:42

パワーアップビュアー

 さて、だいぶ見やすくなったビュアーであるが、せっかく電球を明るいものに替えたのに他の改良のために画面が暗くなってしまった。もう少し明るくできないか?ビュアー本体内にセットされている白色プラスチックでできた反射板、こいつがもう少し頑張ってくれればいいのに。というわけで選手交代です。白色よりパワーアップするなら銀色です。アルミホイルを貼ったらどうかというと、光のムラが強くなりすぎて、せっかく苦労して入れた白色拡散板の効果がだいなし。もうちょっとマイルドな反射にしたい。というわけでアルミホイルに梨地面を持った透明プラスチックシートをスプレー糊で貼りつけ、アルミのシワを伸ばせば立派な反射板の出来上がり。これをカットしてビュアー内部にセットするのである。梨地面のシートも大きな模型店やホームセンターに行けば扱っている。わざわざ買わなくても、普通に身の回りにあるものでも使えるものがあったりするので工夫して欲しい。
 さて、白色光源といえば白色発光ダイオードがここ数年で汎用品になりつつある。光量の割に消費電力が少なく、懐中電灯にも使われるほどポピュラーになった。ではこれをビュアーの光源に使ったら、というアイデアを実際にやってみた。ビュアーにセットする手間があるが何とか使える。でも問題点も多い。LEDは光束が細いので画面を一様に照らすには向いていない。これを拡散させて画面を十分に明るくするには、4~6個のLEDが必要だった。また、若干青味がかる傾向と、一個ずつの色バランスにばらつきがある。青色に偏ってしまった場合は色温度の補正とは少し違う。この補正にはイエローのフィルターが必要になる。実験では薄いイエローのゼラチンフィルターで白色になった。まあ、こんなことをあれこれやってみるのも楽しい。

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投稿者 sekiguchi : 2005年07月17日 23:27 | コメント (2)

フラット・ライト・ビュアー

 ビュアーの明るさをアップし、色調も調整した。だけど何かものたりない。画面がちらつくのだ。覗きながら目を左右に振ると、画像の後ろで何かの影が動くように見える。なぜかと調べると画面の明るさにムラがあったのだ。豆電球のガラスは素通しなのでフィラメントからの光が部分的に強かったりする。豆電球の光を白い紙に投影すればよくわかる。さて、これを改善するにはどうしたら良いか?
 海外では電球の表面をすりガラス状にして光を柔らかく拡散し、画面のフラット化を図っているものがある。ただ、このような電球は正規の規格品で流通しているのではなく、一部の熱心なステレオ愛好家が手を加えて供給しているのだ。これを手に入れる方法もあるが、電球は消耗品だ。フィラメントが切れるたびに海外に注文し到着を待っていたのではたまらない。ならいっそ、ビュアー本体を改良してみよう。
 画面をフラットにする方法の一つに、スライドのすぐ後ろに光拡散板を置く方法がある。模型店やホームセンターに行くとさまざまな素材でできた白色プラスチックシートが売られている。厚さや色の感じも様々だが、ちょうど良いものが必ず見つかるはずである。薄すぎては効果がないし、厚すぎると光量がダウンしすぎる。試行錯誤で自分の好みに合ったものを探して欲しい。拡散板と言っても板ではなく、書類用ファイルのポリエチレンシート程度の厚さだろう。これをはさみで切り、ビュアーの中に両面テープでセットすれば出来上がり。少々光量は落ちるが、何より見やすくなる。拡散板と色温度変換フィルターを合わせてセットしておけばバッチリだ。色温度を正しく調整しておくとまるで蛍光板のように見える。豆電球で光っているとは思えない出来だ。ただし、拡散板にホコリがつくと目障りなので、日頃の手入れは怠らないように。面倒なことはない、ちょっとブロアーで吹いてあげればいい。
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投稿者 sekiguchi : 2005年07月02日 22:25