STEREO CLUB TOKYO

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マウント開発

 ここはリアリスト研究所にある特務機関の一室である。マウントを自給できる体制を確立するのだが、次のような大前提のもとに研究を進めている。まず、機材や材料は特別なものではなく、一般に流通しているものから簡便に調達できること。次に、1枚あたりのコストが10円程度になること。コストといっても、販売を目的としないので自分の作業費はタダとしておく。加工機械の償却費も合わせて従来のヒートシール紙マウントと同じぐらいの費用負担になることを目指す。
 まず、加工機械としてグラフテック社のクラフトロボ(CC200-20)を導入した。オープン価格であるが、市場価格は24,000円前後といったところ。5千枚のマウントを加工すれば投資分は1枚当たり5円を切る。材料は1枚20円程度のA4サイズ厚紙を使い、ここから4枚のマウントが取れればトータルで1枚10円以下になる。
 他の高グレードのマシンであれば厚紙でも自由に切れるのだろうが、それではあまりに初期投資が大きすぎる。安価なマシンを選定したのだがその能力はどうか。これが最大の課題である。テストカットの結果、加工のスピードと精度は十分なレベルにあるものの、マウントに最適な厚紙は切り抜けないことが判明した。対策として切断可能なケント紙を分割して加工し、重ね貼りで強度を出すことを試みた。しかし糊付けの手間が増え、作業性が非常に悪い。
 加工が簡単でかつ貼り合わせがやりやすいこと、A4用紙からなるべく多く作れることといった問題が重なり合って解決の糸口が見えない。新しい展開図を作り、切断加工して試作、変更してまた試作をするという行為が続く。この方法では不可能かもしれないと諦めかけたこともある。厚紙を切り抜くことさえできればいいのだが。やはり高グレードの機械を導入しなおすしかないのだろうか。苦悶の日々が続く。さて、実用的なマウントは完成するのだろうか。(つづく)
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投稿者 sekiguchi : 2009年09月03日 23:01


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