STEREO CLUB TOKYO

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日食の撮影

 赤瀬川源平さんの本を読んだら、ステレオグラフィックでメキシコ皆既日食を撮影した顛末が書かれていた。これには驚いた。僕はその本を読む前に東欧に皆既日食を見に行っていたのだ。しかもリアリストを持って。しかも、ステレオならではの近景を取り込んだ太陽の撮影をしなかった。なんで日食を見に行く前に本を読まなかったのだ。何でステレオで撮らなかったのだ?
 とは言え、皆既日食は素晴しかった。感動した。少し薄い雲を通しての皆既日食だったけど、それでも素晴しく美しかった。写真では表現できない、コロナの微妙なグラデーションは生の目で見るに限る。写真はおまけ。そうは言っても、おまけでもいいから、ちゃんとステレオで撮っていたらいいものになっていたんじゃないか。やっぱり、何で撮らなかったのだ?
 皆既日食を一回見てしまうと、もう一回見たくなるらしい。自分もそうである。うす雲がかかっていたからとか、ステレオでちゃんと撮っていなかったからとか、いろいろ理由を見つけてもう一回いくのである。というわけでもう一回行った。場所はアフリカ。
 二回目は、ちゃんとどんな撮影をするか決めて機材の準備をした。あれこれ手を広げすぎると良い結果は得られない。ステレオ以外にも望遠で撮影したが、これは中古のEOS10Dに任せた。インターバル撮影が無人でできるから、セットして全ておまかせ。太陽が全て隠れている時間は約3分間。この間はステレオ撮影と肉眼での鑑賞に専念するためだ。
 それでも、ステレオ撮影より自分の眼で見ることが優先。撮影はあらかじめ段階露出の設定をして、枚数も決めておいた。それ以上は撮らない。欲張ると失敗する。効率を良くするため、2台のリアリストをそれぞれ三脚に乗せてレリーズを取り付ける。巻上げとチャージをして、2台同時にレリーズ。露出時間を変えてもう一回。これを何度も事前に練習して、体にリズムで覚えさせる。そうやって、そのときの感動がよみがえる写真が撮れた・・・そのうちまた、もう一回見に行くかも知れない。

皆既日食a.jpg皆既日蝕.jpg
(空の階調がうまく取り込めないので雰囲気だけでもお楽しみ下さい)

投稿者 sekiguchi : 2009年10月30日 23:43


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