STEREO CLUB TOKYO

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⑦北欧の夕暮れ

 さて、舞台はスウェーデンの首都、ストックホルムに戻る。ここは、北緯60度近辺という高緯度に位置している。北海道の稚内でさえ北緯45度近辺だから、地理的な環境というのは日本とはだいぶ違う。なんといっても、四季の移り変わりに伴って日照時間の長短の変化が大きいというのは、日本に住む我々の想像を超えている。
 夕食を終えて、ちょっと一杯飲んで外に出る。でも、まだ外は明るい。なんだか、酔いの回りが早いような気がしながら、また別のところでビールを傾ける。ようやく日が落ちたのかなあ、というところで時計を見ると、もう22時前後。
 空がゆっくりと、しかし確実に暗くなってゆく。空が深い紺色に落ちてゆくと、ライトアップされた古い建物がその存在を誇示しているかのように美しく輝く。空の色とのコントラストが美しい。空の明るい時間が長い季節とはいえ、この美しい時間帯というのはやはり短い。夜の暗闇は、足早に町をすっぽりと覆い隠してしまうのだ。
 露出計のメーターが、だんだんと鈍く反応する。空の明るさが減ってゆく。こういう条件で撮影するには、小さくてもよいから三脚が必要だ。だが、あいにくこのときは三脚を持っていなかった。シャッタースピードが遅い。手持ち撮影ではどうしてもブレやすい。橋の欄干や、電柱にカメラを押し付け、構えにくい格好でファインダーを覗く。
 ファインダーの奥には、小さな光が動いている。車や電車の明かり、水面に反射する灯火が瞬いている。それぞれの光の配置はこれでいいだろうか。覗きにくいファインダーで構図を何度も確認する。
 うまく撮れますように。そう祈りながらシャッターを押す。小さなガバナー音が、シャッターがちゃんと働いていることを教えてくれる。何回かシャッターを切るうちに、辺りはすっかり夜の闇に包まれていた。(スウェーデンの旅・おわり)

ストックホルム夜1.jpg

ストックホルム夜2.jpg

ウトックホルム夜1.jpg

投稿者 J_Sekiguchi : 2011年09月01日 10:00


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コメント

イエロージャックさん、
旅のシリーズ読ませていただいてます。
光の感じがいいですね。私の場合このくらい暗いとぶれてしまうことが多いのですが、さすがです。

投稿者 hoshi_plus : 2011年09月03日 11:56

立体海外旅行にお付き合いいただき、ありがとうございます。
画像については、元がフィルムで、スキャナーでの取り込みがうまくないので、暗部のざらつきなどが生じています。
モニターの設定によってはとても見づらいと思いますが、ご容赦下さい。
海外旅行編はまた別の国で、しばらく後に掲載いたします。
今後ともどうぞ御贔屓に。

投稿者 J_Sekiguchi : 2011年09月05日 01:42