home > Stereo New England・ミーティング参加レポートその2

大谷和利

 1999年2月21日、僕は再びStereo New England(SNE)の例会に参加してきた。
 今回は、写真器材ショーの直後で告知効果のあった前回よりも参加者の数はやや少なくなったが、それでも100名近い人間が参加している。
 ミニ・トレード・フェアとオークション、自慢の品の披露、招待作品の上映、そして参加者の作品の上映という全体構成は同じ。今回の招待作品は、アンドレア・S・ブレアという女性写真家による一眼レフ使用のマクロステレオだった(これは、作者自身が吹き込んだテープに合わせて、SNEのスタッフがスライドの操作を行い、マクロステレオの原理から実際の作品作りまで、ちょっとしたチュートリアル風のプレゼンテーションであった)。
 僕の隣に座った人は、ステレオカメラのコレクターで、ウォーレンサックを除いて主要なモデルはほとんど持っているという強者。自分で修理もこなすので、壊れていてもたいていは平気で買ってくるとのこと。その人のお気に入りはイロカステレオだったが、それぞれに特徴や味わいがあるので、どれも大事にしているそうだ。職業はサイエンティスト(!)とのことだった。
 会全体の様子は写真イメージを見ていただくとして、今回も注目されたのが例のステレオクラブTシャツである。これはSNEの幹部からすでに4枚、無理矢理オーダーを入れられてしまった。ミニ・トレード・フェアで販売せよという要望も根強いので、次回(6/15)には、ぜひ日本から在庫を持って乗り込みたい(岡野さん、増産頼みます)。
 ちなみに、参加者の作品は旅行先でのものが多いが、アメリカ国内から中東、ヨーロッパまで幅広いバリエーションが楽しめた。また、参加者の1人は、たまたまステレオカメラを始めた姿を見た母親が、自分の結構式のときに撮ったという古いステレオ写真を取り出してきて驚いたそうで、その中の1枚を披露して盛り上がった。
僕は、こちらに来てから撮ったものを2点(日本に戻ったときに上映予定)と浅草→上野撮影行のときのモノクロ作品を4点見せ、中でもトマソン物件(古い医院で、もとからあった木をクリアするために壁がえぐれているもの。ただし、結局後から木の上部が切られてしまったため、何のための壁のえぐりだったのかがわからない)は、かなり受けて会場の笑いを誘っていた。
 なお、リール3Dのカタログ(No.20・全28P)を6、7冊持ち帰ってステレオクラブの例会で配る予定なので、お楽しみに。

相変わらず良い感じの壮年~老夫婦の参加が目立つSNEの例会。 ミニ・トレードフェアの売り物としては、やはりビューマスター系の古いリールが多い。今回は1枚1ドル程度。
同じテーブルを反対側から見る。古めのビューマスターのビューワーがいくつか売られている。値段は聞きそこねた。 レンチキュラーステレオ方式のポストカードや、絵柄が裸眼立体視用のイラストになっている、どこかのクラブのバッジなどもある。
今回のオークションは何故か8MMフィルム関係のモノが多かった。右手前の2つの箱の中身は、撮影用の照明ランプ、黒い映画カメラのようなものはデスクランプ、その手前はビューマスター用のフラッシュ兼距離計ユニット。小型のスクリーンなどもあって、どれも数ドル~十数ドルで競り落とされた。総売上とドネーション(寄付)の合計は2百数十ドルに上った。 ケンブリッジが本拠地のポラロイド社が寄付したという偏光眼鏡も、1個1ドルで販売された。豪華(?)なプラスティック製。
自慢の品の披露その1は、ハイパーステレオ用自作スライドレール。身近な材料で安価に制作したことを力説。手前の子供連れの人は、アーガスのプリント用ステレオカメラ(ミラーを使って普通の35mmプリント写真にスプリットイメージを焼き付けるタイプのプラスティックカメラ)で、説明の模様を撮影しようとしている。 自慢の品の披露その2は、こちらで販売されているあるハンドソープの容器で裸眼立体視ができることを発見したという報告。原理は、ボトルの外と内にそれぞれイラストが描かれていることから、内部の背景が互いに少しずれたものをペアとして組み合わせるというもの。この製品はたまたま僕の自宅でも使っていたので、アップで撮影してみた。色々と考えるものだ。
ちなみに、本題とは関係ないが、ボトルの左側に写っている犬のぬいぐるみは、今アメリカで流行の兆しを見せているタコベルのしゃべるチワワ人形である。
自慢の品の披露その3は、ステレオスライドの整理には通販で売っている釣り用のプラスティック製タックルボックスが良いよ、という話。1つ4ドルくらいだが、まとめ買いすると送料が無料になるので、8つくらい1度に買うことを薦めていた。 今回の個人的な成果は、このスティール製ステレオスライド整理ボックス。まるで軍用のような造りで、本当の色はもっとオリーブドラブに近い。重いのが玉に瑕だが、2段式でかなりのスライドを収納できる。第二次世界大戦直後くらいに販売された中古で、程度はまずまず。30ドルなり。

History of regular meeting

1996 第1回12月20日 写真 ≫
1997 第2回3月14日 ステレオ写真 ≫ 第3回6月27日 第4回9月26日 第5回12月5日
1998 第6回3月13日 第7回7月10日 第8回9月25日 第9回12月11日
1999 第10回4月30日 第11回10月8日
2000 第12回例会 2月10日 第13回5月12日 第14回10月13日
2001 第15回1月28日 第16回12月1日
2002 第17回4月6日 第18回7月27日 第19回10月19日 第20回12月13日
2003 第21回3月14日 第22回8月2日 第23回11月1日
2004 第24回例会 2月28日 第25回6月5日 第26回9月4日 第27回12月4日
2005 第28回5月14日 第29回9月10日
2006 第30回10月21日
2007 第31回3月3日 ステレオピンホール写真 ≫ 第32回7月1日 第33回9月29日 第34回12月1日
2008 第35回3月1日 第36回6月7日 パノラマ写真 ≫ 第37回9月13日 第38回12月6日 パノラマ写真 ≫
2009 第39回3月14日 パノラマ写真 ≫ 第40回6月20日 パノラマ写真 ≫ 第41回10月17日 パノラマ写真 ≫ 第42回12月27日 パノラマ写真 ≫
2010 第43回3月13日 パノラマ写真 ≫ 第44回6月5日 パノラマ写真 ≫ 第45回9月4日 第46回11月27日 パノラマ写真 ≫
2011 第47回4月16日 パノラマ写真 ≫ 第48回10月16日 パノラマ写真 ≫ 第49回12月10日
2012 第50回4月14日 第51回10月6日 第52回1月12日(2013)
2013 第53回4月20日

第1回花房山ハイツ第2〜15回ヒルズ花房山第16〜40回天王洲ビュータワー第41回〜パラボリカ・ビス

パノラマ写真は岩本朗さんと角田孝さんの作品です。高解像度のオリジナル作品がこちらのサイトでご覧になれます。ピクセル・アートワークス Pixel Artworx ≫