STEREO CLUB TOKYO

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マウント製造作戦会議

 ここはリアリスト防衛軍の作戦参謀室である。重要戦略物資である、ヒートシール紙マウントが枯渇の危機にあることが判明し、徹夜の作戦会議が続けられている。参謀たちの疲労もピークに達している。しかし、前線に物資を届けなければ全体の士気に関わるのだ。負けるわけにはいかない。課題はいかにして自前で製造体制を構築できるか、である。
中尉:加工方法はともかく、ベースとなる紙の種類を決めなければなりません。入手性も考慮したほうがいい。
少佐:中尉の意見に賛成だ。しかし、市販のケント紙では強度不足であることが判明している。どうする?
中尉:入手性と価格の点から、事務用品の個別ホルダーが最適の材質です。後は加工方法が・・・。
少佐:やはりダイ&パンチ方式か。あれは型の作製に費用がかかりすぎる。後から変更もきかないんだぞ。
中尉:似たような型抜き式のものに家庭用のがありますが、型は特注になりますね。実用的といえるかどうか。
 行き詰まったとき、見方に強力な諜報機関がいる。その名はヤフー。さあ、今こそ力を発揮するのだ、ヤフーよ。
というわけでさっそく検索したがマウント自作の有力な情報はない。いざというときに役に立たない一面も持っている。
途方にくれていると、検索でカッティングプロッタというパソコン周辺機器がヒットした。ホビーレベルの安価な設定の機種もある。デザインした図案の通りにカッターが紙の上を走り、高速かつ正確に切り抜いてくれるマシンである。ただ、あまり厚い紙は切れないらしい。どこまで能力があるのか。果たしてわれらの新しき工廠として活躍してくれるのだろうか。
とにかく、加工の自由度と初期投資のバランスからしてカッティングプロッタで加工技術を確立することが最善の方策であろうという結論に達した。さっそく作戦本部に上申し、試作作戦を展開することとする。作戦行動開始!

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△導入した最新鋭工作機械

投稿者 sekiguchi : 2009年08月30日 01:09

緊急入電!製造停止!

 ここは前線に位置するリアリスト部隊である。戦闘に必要な物資は補給部隊の支援を得なければならない。
伍長:隊長殿、そろそろマウントを補給しないと備蓄が枯渇してしまいます。あと200ほどしかありません。
軍曹:よし、いつものように海外通販で購入したまえ。今回は2箱、2500枚を船便で輸送させよう。
伍長:了解!・・・隊長殿!海外通販のサイトに物品が出ていません!まさか・・・
軍曹:慌てるな。先方に状況確認をするのだ。メールだ。緊急打電したまえ。
伍長:返信が来ました。読みます。「セイゾウガイシャ、トウサン。キカイフルク、セイゾウサイカイノメドナシ」
 何だって!?・・・隊長の脳裏にあった一抹の不安が、いま現実になったことを知らせる電流が走った。
とうとう来たか。それにしても早かったな。いつかは来ると思っていたよ。最近補給されるマウントときたら窓の切り口に毛羽立ちがあったからな。だからマウントのたびに窓の毛羽立ちをサンドペーパーで除去していたんだ。あれは明らかに打ち抜き型のパンチがすり減っている証拠だった。マウントの製造部隊は疲弊していたに違いない。
 思えば、8年前は紙マウントの接着部分が濃いグリーンで遮光の点でも優れ、窓もきれいに切られた使いやすいものだった。それがいつの間にか接着部分が水色になり、角窓の切り口に毛羽立ちが目立つようになり、そして送られてくるものが長く在庫していたような感じのものになっていった。それでも、このマウントが無いと困る。在庫を確保しなければ。
伍長:隊長殿、どこも在庫が無いようです。1カ所だけ在庫を持っていましたが、価格が高騰しています。
 ううむ。高値でわずかな在庫を掴んでもこの前線の維持は続かない。やはり自前の工廠が必要か。
(次回作戦行動を待て)

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△1250枚入 リアリストマウントの箱の表示

投稿者 sekiguchi : 2009年08月28日 23:04

第1回マウント製造計画の頓挫

 約10年前、僕がはじめてリアリストを手に入れたとき、マウントのことはあまり重要に考えなかった。あのころはコダックの現像所がマウント仕上げのサービスをしていたけど、これを使うことも考えていなかった。理由は料金が高かったから。出だしから金をかけすぎる趣味は長続きしない。今はなきマウントサービス、僕は一度も利用したことがないのだ。
 実は、どこかにマウントが売っていると思っていた。ダイヤモンドカメラに束でスリップイン式のマウント台紙(コマを台紙のスリットに差し入れてセットするタイプ)が売っているのを見つけたけど、使いづらそうだったから買わなかった。他の店ではどうかな?と、有楽町、銀座、新橋、新宿の老舗の中古カメラ店を覗くと、意外にもステレオカメラが多く陳列されている。だけどマウントが置いていない。いろいろ回ってやっと、新橋のお店でとても古いヒートシール紙マウントが30枚程度置いてあるのを見つけた。値札が無かったけど500円で譲ってもらったのを覚えている。
 売っていないのなら、これを参考にして自作しよう。というのが初めのモクロミだった。厚紙をカッターで切ればいいのだ。直線だけだからカンタン・カンタン。と思ったら、こいつが予想以上に難しい。「まっすぐにしかも寸法を正確に」ということが難しい。四角い穴を正確に切り抜き、切り口が毛羽立たないようにするなど至難の業だ。角がうまく切れない。薄い紙なら何とかなるが、それではマウントとして役に立たない。ある程度厚さのある、丈夫な紙で作るから意味があるのだ。結局、カッターとはさみで大量に作ることは人間の能力の限界を超えていることが明らかとなり、計画は頓挫した。
 この後海外通販で購入できることを知り、ヒートシールの紙マウントの大量購入で低コストな写真ライフを実現させていた。しかし今、再びマウントを作らねばならない時が来ている。

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△スリップインマウント(ハーフサイズ)

投稿者 sekiguchi : 2009年08月24日 22:58

マウントの危機

 僕はマウント台紙を海外から買っている。ヒートシールの紙マウントを箱で買っている。いろいろ検討した結果、この方法が1枚当たりのコストを最も低くすることができるのだ。少ないお金で最大限の楽しみを得たい。こういう考え方はケチではありませんよ。費用対効果というモノの考え方。「金ならある。一番高いものもってこい!」的な方法で最大の満足を得ようとするお方もいらっしゃる。なるべく安くね的な努力というのもそれはそれで楽しみの一つだと思うのだけど。
 とは言え「もう売ってないよ」となるとお金で解決できない状況になる。ステレオマウントなんていう、流通量がどう考えても少ないものがいつまでも売っているだろうか?という疑問は常に頭の片隅にあった。そんな現実がやってきた。
 海外通販マーケットの変化に気付いたのは、そろそろマウントのストックが尽きたなぁということで、新たに発注しようとしたときだった。通販サイトのカタログ欄にいつものモノが無い。あわててメールで問い合わせると、それを作っていた会社が倒産しただとか、古い機械で作っていたが、機械が壊れたのでこの先の目処が立たないとか悲惨な情報しか入ってこない。とりあえず在庫が残っているのを売りますとのこと。だけどもう値段が上がっている。そんな状況になってだいぶ経つ。
 まだ今のところは「高くてもいいからもってこい」で済む状態だ。今まで使っていたものじゃなくても、少々単価が高い別のマウントでも何とかなる状態である。でも、これって僕にとっては楽しい状況じゃない。安く上げる努力が楽しいのだ。
 僕がはじめてステレオカメラを手に入れたときは、マウント台紙をどうやって手に入れようかなんて考えていなかった。売っている所さえ知らなかった。紙を手作業でカットしても何とかなるさ、ぐらいに考えていた。でも実際にやってみると手作業では難しい。それを克服して自給体制を作る、というのがこの危機の脱出方法だろう。そんな話をこれから連載します。

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△定番 ヒートシール紙マウント

投稿者 sekiguchi : 2009年08月22日 21:54

そろそろ改名か?

 僕がステレオを始めてからまだ10年と経ってはいない。ステレオの諸先輩から見ればまだまだヒヨッコである。とはいえ、銀塩ステレオ沼のずいぶん深いところまで来たんじゃないかとも感じている(銀塩沼にはまって抜け出せないとも言うか)。まだまだ緒先輩にはかなわない所がありながら、このようなコラムを書いて叱責をいただいていないというのは運が良いのか、皆様が寛大なのか。えっ?あまり読まれていない?
 それはともかく、地方に引越し、STEREO CLUB TOKYOの例会に参加できなくなったことを契機に始めたこのコラム、好き勝手に書かせていただき感謝しています。はじめはリアリストの分解を写真入りで紹介するだけと思っていたんだけど、ちょっと欲が出て色々書いていたらこんな風になってしまった(笑)。
 そろそろ「解剖室」という名前にそぐわなくなってきたので、タイトルを変えましょうか?岡野サン。えーと。何にしようかな。リアリスト探検隊。。。どっかで聞いたような。ステレオリアリストとヒミツの部屋。。。第2巻かよ。リアリスト友の会。。。なんだかなあ。
 もう世の中デジタルだらけになって、リアリストがどうとか言ってる場合じゃないな。これはですね、フィルム文化の危機ですよ。もうね、銀塩写真とか、フィルムを使ったステレオ写真とか、そんな話題はここしかない、ってな貴重なコラムにしたいですね。というかそうしなきゃいかんのですよ。(なんでやねん)
 というわけで、次回から「リアリスト解剖室」改め、「古典芸能の部屋」といたします(ウソ)。まあ、これからもぼちぼち書きますのでよろしく。

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平行法でご覧下さい。

投稿者 sekiguchi : 2009年08月20日 00:25